第43回技能五輪全国大会
     きらら山口2005 に寄せて

 10月28日から31日までの4日間にわたり、山口県各会場において、第43回技能五輪が開催され、43職種、1100名の選手が匠の技日本一を競い、神奈川県選手団は、建築大工1名を含む34名でこの大会にのぞみました。
 建築大工職種は、全国32都道府県から121名が参加し、今回も競技職種中で最も多くの選手がエントリーされた種目となり、熱気のこもった匠の技が競われました。
 競技は、2日間、11時間にわたって行われ、課題に示された複雑な形状の木造建築の小屋根の一部を制作するもので、原寸図、部材の木削り、墨付、加工、仕上げ組立で、その技術や出来映えを競います。

 神奈川県代表に選考された湘北訓練校の北川選手も、目標であるメダル取得を目指してこの大会に臨み、1ヶ月あまりに及ぶ練習を重ねて挑戦いたしました。
 この影には事業主である金子建設様の協力や、湘北訓練校、神奈川県連の声援をいただきました。
 原寸図を5番目に提出し、出足も上々、、木削り、墨付も予定時間より早く、加工組立も順調に進んで時間内に製作は完了いたしました。全体的に見ると約100名の選手が時間内に完成し、残り20名程は延長して残り作製を完了させ、未完成者は見あたりませんでした。
 完成した作品は会場内に展示され、程良くできた作品が約50、残りは審査外のように思われました。北川選手の作品もAクラス40のうちに入り、健闘していましたが、審査の結果、1位は新潟県、2位は埼玉県、3位は千葉県、東京都、岩手県勢となり、敢闘賞14の中に入れなかったことは誠に残念でした。

 しかし、この青春の夢が舞う、技能五輪全国大会への参加は、北川選手の一生の想い出となり、また、財産となったことと思われます。また大会や交流集会では、試合とは別に各地・各職の若者同士が交流を深め、友達も出来たことと思われます。
 現在の住宅建設は工場プレカットが主流をしめていますが、造作、仕上、などの本来の日本建築を目指す若者にとって、五輪や各種の競技会が匠の技を向上させる好機会とも思われます。
 来年は香川県で技能五輪が、そして2007年には静岡県で世界大会が開かれます。取り組み方、手法も、多くの情報や意見を参考にさせて頂きまして、建築技術、技能の振興が計れればと考えます。
 最後となりましたが、本大会にご支援、ご協力を頂きました皆様に、あらためて心より御礼申し上げさせて頂きます。

        神奈川県湘北職業訓練校理事長 高橋則文